24 9月

「一本の木の役割」

私は、週末になると、伐採された木の皮を剥く作業をしている。
神経や頭のメカニズムが休息して無心になり、汗が滴り、心地好い疲れをおぼえて気持ちいい。そのためだけで取り組んでいる訳ではないが…。
ところで、すでに知識として知っている人が多いだろうが、先日、私はある材木を商いとする方から次のようなことを学んだ。
何年もの歳月を経て、自然の中で育まれた木が伐採されて材木として利用される時がくる。
一本の木、太陽を一杯受けた南側は、「板」として利用される。ところが、日があたらない北側は、角材。つまり、家を支える「柱」として利用される。
家を建てる時に「板」も重要な役割を果たすが、それ以上に逆境に耐え抜いたしんのつまった部分が柱として、しっかりと家を何年間も支え抜く重要な役割を果たす。
我々人間もそうでありたい。一人の存在が太陽のあたたかいぬくもりを一杯受ける側(=心の板)と、北側の逆境を一杯受けて耐え抜く側(=心の柱)の両面を持って役割を果たせる存在として生きていきたい。
私は、それぞれの役割を果たす人生が与えられていると信じる。